
今年の夏はいつになく厳しい暑さが続く。この暑さでオリンピックの開催を予定していたなんて信じられない程だ。9月に入り、暦の上では秋だが涼しくなる気配すらしない。久しぶりに雨が降ったと思えばゲリラ豪雨。これまた極端で来年はどうなっているのかと不安になる。20年前は30度で暑いと言っていたのに、今では涼しいと感じる。日本の気候はどんどん変わっているが、大正9年から変わらない味を出す老舗蕎麦屋が飯田橋にある。大正9年創業の「神田尾張屋」の暖簾分け「神田尾張屋 飯田橋店」。本店は神田にあり漆黒の外観が特徴。場所はJR飯田橋駅東口から徒歩1分のところにある。
伝統を守る
コロナ対策の為、入り口を空けて換気は十分。出入り口には消毒用アルコールも用意されている。ここまでしっかり対策をしてくれていると安心して食事が出来るので嬉しい。
案内された席に着くと水を出してくれて、少なくなると何も言わず追加してくれる。2階もあり、席数はかなり多く55席ある。店内には年季を感じる古い木製テーブルと椅子が置かれている。ふとレジ付近が目についた。先客を店員が会計をしている。驚いたのが会計ではレジは使わず、メニューで金額を確認しそろばんで勘定していたのだ。なんでも電子化時代の真逆をいっているが味があって実にいい。古いものを大切にすることが長年続く秘訣なのかもしれない。
隅々まで行き届いたこだわり
メニューに「カレーライス」がなかったので「カレー丼(900円)」を注文。5分ほど待つと、カレー丼が出て来た。
おお!定食っぽい!サラダと漬物がついてる。こんなに野菜が主となるカレー丼は初めてだ!しかも器が渋くてカッコイイ!!なんだか蕎麦屋っぽいぞ。
盛り方もカレー丼なのにカレーライスのようにライスとルーがセパレートなのだ。これは「カレーライス」なのでは?ここのカレー丼はカレーライスと見た目で区別が付かない。
とりあえず一口。ルーはみたらしのような柔らかなとろみがついていて、あんかけのようだ。鰹出汁の風味が感じられ、スパイスの辛さははっきりとしていていいアクセントになっている。蕎麦屋のカレーは旨味があるが、スパイシーさに欠けることが多く、何となくぼやっとしているが「神田尾張屋」は辛さのバランスがよく、飽きない。
具はスライスした玉ねぎと肉は豚のロースのようで少し固めだ。殆どの店では豚バラが出てくるのであっさりしていて食べやすい。さっぱりしているのであっという間に完食してしまった。いまどきの店もいいが、蕎麦屋は時代を感じるところが落ち着く。ごちそうさまでした。
店名:蕎麦処 神田尾張屋 飯田橋店
住所:東京都千代田区飯田橋4-9-11
営業時間:[月~金]11:00~21:00[土・日・祝]11:00~20:00
定休日:無休
アクセス:JR線「飯田橋」駅から徒歩1分